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先日
以前chordを利用していた方が
近況報告をしに遊びに来てくれました。
当時の彼女はうつ病と診断され自分の部屋から出る事も苦しく、ましてや事業所に通所することは本当に難しくて、でも現状を変えたくて自分で福祉サービスを調べて利用スタートとなりました。
不安定になると音信不通となり、調子の良い時のギャップが彼女を苦しめていました。私たちサポーターも音信不通でもメールやSNSで連絡を入れ、会えるか分からないけれど彼女の自宅に出向く日々。
そんな彼女でしたが、生き甲斐となる物がありました。
それはコスプレ衣装を作る事。
ふんだんに使ったレースの衣装はオーダーを受け2桁の値段で売れることもあるといいます。
ただ製作できるのも調子の良い時だけ。
お客さまを待たせて怒らせてしまい、それによってまた不安定になる。
そんな悪循環を側で見ながら、客観的に自分を見る思考を持てるよう伝え続けました。精神的な波があるのは病気が原因であること。病気と付き合いながら生きて行くのに今必要な事。
お客さまを待たせてしまっても不快に思わせない方法。などなど。
彼女の思考の癖や、他者と比べてしまう思考、自己肯定感とは。紙に書き出し可視化したりアプリを使ったり。正直サポーターである私たちも毎日手探りでした。
そんな彼女でしたが通所できる日数も徐々に増え、コスプレ関連のアルバイトが見つかりchordを退所しました。
そんな、彼女がchordに来て1番初めに伝えてくれたことは
「私、双極性障害でした!」
うつ病と診断され鬱の治療を受け続けていた彼女ですが、何か腑に落ちなく自分で様々な情報を集め、ドクターに、自分は双極性障害ではないか?と聞いたそう。
そこから双極性障害の治療をスタート。
本人も自分の障害に心から納得し(受容でき)そこから思考のチェンジが始まったといいます。
「昔chordで何度も教えてくれた思考のチェンジ。しんどい時は病気が原因である。自分が悪いわけではない。客観的に俯瞰して自分を見ることがでにるようになったんだ!お客さまにも、製作に迎える時と迎えない時があるので、納期をかなり長くし了解を得た物だけ受注することができるようになった。友達との関係もドダキャンしてしまうことがある事を受け入れてもらえるように先に伝えることができるようになった!思考のチェンジを伝え続けてくれてありがとう!」と言った満面の彼女の笑顔は、私たちにとっても、とても嬉しい出来事でした。
現在はコスプレ衣装の受注製作を続けながら、イラストを学べるB型事業所に気ままに通っているそう。
精神疾患は同じ病名でも、人それぞれ症状が違う為サポートする側もその方その方に合わせたプラン作りが重要です。
私たちのサポートが彼女を前向きに楽しく生きようと進めたのでは決してなく、彼女自身の病気との付き合い方を彼女なりに見つけた結果だと思います。
私たちはドクターでもなく、メンタリストでもありません。病気を治したり、回復に向かわせたり、前向きな思考に瞬時に変えたり。そんな事は決してできません。
苦しみを理解しようと側にいたり、話を聞いたり自分がどういう思考で生きているかを伝えたり。
就労支援の事業所で可能な限りのサポートをすることしかできませんが、彼女からの報告は、少なくとも彼女には検討はずれの支援ではなかったことを実感させてくれるものでした。
※ご本人から了解を経て掲載しております。
※当事業所を利用したら精神疾患が良くなる という内容ではありません。